2023年7月11日火曜日

懐かしのビフテキ

1/12ピコえっくす☆きゅーと/Wicked Style あいか
1/12 Pico Excute / Wicked Style Aika



レトロと言えば,最近『贅沢貧乏』(森茉莉著)を読んだ。
森鴎外の長女である彼女は1903年生まれ。
実は私の祖母と同い年だ。
文章が書かれたのはざっくり60年前。
「おばあちゃんの時代の人」と思いながら読んでいた。



独特の美意識で描写された世界がレトロ硝子の渋い輝きのようだと思った。

この時代の書き言葉は,現在ならカタカナ表記になるところが漢字になっていたり,
現在では使われない漢字が沢山混じっていたり,
現代でもカタカナ表記する単語であっても表記方法が今とは随分異なっていたりする。

今では聞かなくなった言葉も多く出てきた。
「ビフテキ」って言葉もそう。
いつの間にか「ビフテキ」なんて誰も言わなくなったな,と思った。
私が子供の頃は贅沢料理の代表のような言葉だった。
でも今は「ビーフステーキ」か,単に「ステーキ」って言うのが一般的に思う。

そして何となく日本国語大辞典で「ビフテキ」と引いてみた。
勝手に和製英語だと思っていたら,何とフランス語(bifteck)だった。
明治16年(1883)10月30日の『開化新聞』に載った言葉らしい。

明治時代は外国の言葉の取り入れ方が今よりずっと慎重で美しかったというイメージを持っている。
今は外来語が流入しすぎて,一々考え抜いている暇が無い。
全部そのままカタカナ,あわよくば詰めて短く,いやアルファベットの羅列でいいや!
……って感じ。仕方がないと思うけれど頭に入らないとも思う。

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