2023年9月6日水曜日

船と月と雨

 

ある朝突然ロボットたちを撮りたくなったので,
朝空を撮ったついでに何となく撮った。

この人たちはいつもこのあたりにいる。
窓際の監視カメラとか観測用ラズパイが置いてある棚。
紫外線がガンガン当たって申し訳なく思っている。




9月になると毎年頭の中を流れる曲がある。
中島みゆきさんの《船を出すのなら九月》。
そして何となく,新しい世界に漕ぎ出していくような心持ちになって,額田王の歌を思い出す。

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

この有名な歌は,斉明天皇の行幸に随行した額田王によって,熟田津で船出を待つときに詠まれた。
「熟田津」は愛媛県松山市の西海岸らしく,近年では古三津地区が有力候補になっているとか。
歌の部立は雑歌で,季節は春らしい。
歌そのものは9月とか中秋の名月とは関係がなさそうだが,
港を照らす明るい満月を想像し,9月の名月を思い浮かべたりもする。


ところで,《船を出すのなら九月》以外にも,9月になると思い浮かべる昔の曲がいくつかある。

・竹内まりやさん《SEPTEMBER》
・太田裕美さん《九月の雨》

これらの歌が流れていた時代の九月はもっと涼しかったし情緒も違ったよねーと思う。
けれど,その頃の情緒が未だ身に染みついていて,
九月という響きはしっとりとした気持ちをもたらす気がする。

このエントリーをはてなブックマークに追加

2 件のコメント:

  1. doll-modeler32023/09/06 16:46:00

    こんにちは、お邪魔致します。

    暑い暑いと思っていたのに、暦はいつの間にか9月になりました。
    先日、稲穂が頭を垂れている姿を見て季節の移り変わりを知り、驚いたのですが、もう一つ大きな変化がありました。

    蝉の鳴き声が止みました。今年生まれた蝉は、既に皆、天寿を全うしたのでしょう。
    そして次に生まれてくる蝉は来年を待つのかな?。夜になると虫の音色が綺麗な音を奏でます。

    もしかすると、台風が行った後は気温も下がり秋らしくなるのかもしれませんね。

    秋は一番風情のある季節です。「行く夏を惜しむ」とか「物思いに耽る」とか人の感情に絡めて季節を語るのはこの季節だけではないでしょうか。
    (・・・実は一番秋を感じるのは、スーパーに並んでいるビールの缶のデザインが紅葉に変わる事かも。(笑))

    失礼しました。

    返信削除
  2. doll-modeler3さま こんばんは。

    そう,私も昨日外を歩いていて,蝉の声がツクツクボウシだけになっていて,
    秋の虫,コオロギやキリギリスの声が聞こえていることに気がつきました。
    暑くても彼らはちゃんと季節が移っていることを知っていますね。

    昔のように9月になれば一雨毎に涼しく…とはいかなそうですが,
    少なくとも1ヶ月前ほど暑くなることはないでしょう。

    私は昭和の時代から夏が苦手だったので,(次の)夏に一番遠い秋が一番好きです。
    秋は空の青色も夕焼けも綺麗だし,夜が長くて落ち着きます。
    でも確かに紅葉模様の「秋味」ビールが並ぶと夏が終わった気がしますね。
    あれ,夏に売っているビールと中身が違うとは思えないのですが。

    返信削除