2022年12月27日火曜日

時空の回廊

Saihatemiku Nendoroid [VOCALOID] 01 Petite Vocaloid
サイハテミク [VOCALOID] ねんどろいどぷち ボーカロイド♯01




2022年は前半と後半できっぱりと世界が変わった。
後半は辛かった。
だから今までとは違った方法で世界にアプローチする術を模索した。

これまでの私はかなり理系的価値観に重きを置いて生きていた。
小学生の時から理科が好きだったし,自然科学に夢と希望を抱いていた。
だが,今回に限っては科学的思考で辛さを緩和することは無理だ思った。
納得はできても心は少しも慰められない。

明日をも知れない儚い人生なのに,
生まれてきたからには,死ぬまで生き続けなければならない。
出会いは別れの始まりだし,何をどれだけ愛しても終わる。
何と言う残酷さ。何と言う不条理さ。

直感的に自分に必要なのは文学ではないかと思った。
同じように人生に苦しんだ先人たちの言葉が時代と空間を超えて届けられている。
科学がどう否定しようとも,文学でなら縦横に繋がった空間と時間を自在に行き来できる。
そして共有された体験や思索を取り込んで自分の方法で消化できる。
文学の世界の可能性は無限で,精神的なより所,心の居場所として機能する。

人生の残酷さや不条理さに立ち向かうための武器は文学だったのだ。
それが2022年後半に学んだこと。

来年はもう少し文学の世界を探求して行こうと思う。



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遂にゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
『伊勢物語』在原業平

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2 件のコメント:

  1. doll-modeler32022/12/27 20:27:00

    こんばんは、お邪魔致します。

    7月頃だったでしょうか、お辛い事があったようで、大変でしたね。事情を知らないのに適当なコメントするのは失礼かもしれませんがお許しください。

    私は文系出身ですが、どちらかと言えば「唯物論」的な考え方をするので、理系的価値観のYukiSnowy様とはソリが合うなぁ・・・と感じていました。

    私も本は好きで、月に2冊くらいのペースで読みます。「現代のリアル社会」を舞台にしつつ、少しだけ「魔法」や「超常現象」が絡んで物語を織りなしていく、軽いSF的な世界観が読み易くて好きです。
    Yuki様の言う「文学」とは別物かもしれませんが・・・・。本屋へ行くと「メディアワークス文庫」などを良く手に取ります。私は本から何かを得ようとは考えません。ただ楽しいから読む。現実逃避のツールです。(笑)

    一方で、「文学史」に登場するような書物は、色褪せない価値があって、それ故に後世に伝えられているのでしょう。読みこなせば得るモノがあるかもしれません。
    でも、いずれも古い物なので、作者が生きた「環境」が今とは全く違います。人間は自身の置かれた「環境」次第で「判断」も「行動」も「価値観」すらも大きくかわる生き物らしいです。

    それを充分に踏まえた上で文学の世界で遊ばないと、「感じ方」や「価値観」が「今を生きる人々」と、どんどん離れて行き「世の中から孤立」してしまうのでは・・・・などと心配しております。
    余計なお世話ですよね。すみません。


    余計ついでに、こんなお話も。
    「ローマ彫刻」や「仏像等の彫像」などは「芸術品」として広く世の中にその価値を認められています。私も実は結構好きです。
    でも、もし当時のローマの彫刻師や仏像師が蘇り、名前を伏せて、同じ縮尺の作品で現代のフィギュア造形師に混ざって作品展覧会を行ったらどうなるでしょう?

    人気投票で「運慶」「快慶」が負けてしまうのでは? と本気で思っています。一方は「ヲタク」一方は「歴史に名を残した人物」。

    人の感じ方や価値観なんてそんな物かもしれません。

    長文失礼しました。

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    1. doll-modeler3さま こんにちは。

      doll-modeler3様は読まれた本をブログで紹介なさっていますので拝見していますが,毎回初めて聞く本ばかりです。言われてみれば現代のリアル社会を舞台にしたちょっと不思議な世界の本が多そうで,私があまり読まない分野ですね。本から何かを得ようとは考えていらっしゃらないとのことですが,「ただ楽しい現実逃避」を得ていらっしゃるのでは? 自分の人生から離れることも読書の醍醐味の一つだと思います。

      文学史に登場するような古代や中世の書物であろうと現代日本のラノベであろうと,著者の手元を離れて世に出た瞬間に,本は読者のものです。文化や時代を超えた通路を見つければ,その先には哲学の扉が待っています。
      とりあえずご心配していただく必要はありませんのでご安心くださいませ。あぁ今を生きる人々と離れていて孤立しているのは元々です…。

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