父の帽子

Seria タイニードールリリー：カスタム
Tiny Doll Lily from 100-yen shop Seria : customized

帰省すると，いつも断捨離に明け暮れる。
60年近く同じ家に住み続け，広くて場所もあるものだから要らない物だらけ。
年を取って体力も無くなった今，生活をもっと小さくしなければ疲れるだけだ。
何故こんなに物だらけなのかと思うが，人には得手不得手があるから私目線で意見しても仕方が無い。

今回は父のネクタイを100本くらい廃棄した。
上等な物ばかりでもったいないとは思ったが，
リモートワークやカジュアルファッションな昨今，ネクタイをもらってくれる人などいない。
詳しく見ているともったいない病が発病しそうだったので，心を無にしてゴミ袋へ。

でもその後，父の部屋にあった帽子を見つけて閃いた。
捨てる中に1本くらいこの帽子に似合うネクタイがありそうだ。リボンに仕立ててみよう。
せめて1本，捨てるネクタイから救い出してあげよう，と。
そしてこのネクタイを選んだ。

ネクタイを解き，分解して布に戻し，元々の帽子のリボンの太さに合わせて縫い付けた。
意外と良いのでは？　父も気に入ってくれたようだった。

ネクタイの細い部分のみ使ってかなり布地が残ったので，残りは持ち帰り。
私の似たような帽子に使ってみた。こちらは縫い付けず，巻きつけて結んだだけ。
この帽子は父の帽子とお揃いで母が買った物だが，似合わなかったと私に回ってきたものだ。
しばらく使っていなかったが，雰囲気が変わったし，また使ってみようかな。

ところで，森茉莉著『父の帽子』を読んでみたいと以前から思っている。
しかしKindle版が出ていないので，購入できず読めずにいる。
古本を買って自分で電子化するしかないのかなぁ。
古本といえど，買った瞬間に裁断するのは気が引けるからKindleで出して欲しいなぁ。