2024年2月22日木曜日

明治のオタクトーク

Lil Fairy Vel (Cat Version) by Azone International
1/12Lil'Fairy(リルフェアリー)~猫の手も借りたい?~ / ヴェル

猫の日なので黒猫ヴェルちゃん。

久しぶりにアップルパイを食べたらめっちゃ美味しかった。
たまには熱量とか気にせずケーキなど食べるべきだな。
アップルパイでお腹いっぱい,夕食は食べられなかったが別にいいよね。



猫といえば,最近『吾輩は猫である』を読んだ。
超絶有名な作品なので,一度はきちんと読んでおこうと思ったのだ。
Kindleに青空文庫からダウンロードして読み始めたが,まず長さにびっくり。
せいぜい『こころ』程度を想定していたのに,これほどの長編作品だったとは。

作品自体が長いこともそうだが,更に段落の区切りが極端に少ないことにも参った。
まとまった読書時間を確保できず細切れ時間を使って読んでいるというのに,
延々と連なった文字が隙間無く何ページにも渡って紙面を埋め尽くし,読書に区切りがつけられない。
仕方ないので段落の区切りどころか話の最中に読むのを諦めることが多かった。
ここまで空白が無い小説も珍しいのでは。

これだけでも十分参ったが,内容が難解過ぎて面白さが私には理解できなかった。
面白さを理解するための教養が私にはなさ過ぎた。
この本を面白いと言っている人は大勢いるけれど,これを面白いと思えるとか凄い。
みんな素養深く博識なんだな。私の教養がしょぼすぎるだけなのかもしれないが。

この作品は,留学から帰って精神的に参っていた漱石に,
高浜虚子が「小説でも書いてみたら?」と勧め『ホトトギス』に掲載されたものだ。
読み切り作品のつもりが人気だったため連載になって,こんな長編に膨れ上がった。
読者層は文芸誌『ホトトギス』を読むようなインテリだから,教養のレベルも高かったであろう。
また現代人とは異なるその時代独特の知識も土台になっている。難解なはずだ。

面白さはちっとも分からなかったが,
夏目漱石が尋常じゃ無い教養の持ち主であることはよくよくわかった。
彼の多方面に及ぶ深すぎる知識が遠慮無く満遍なく放出されまくっており,
今で言うところの「オタク全開」のような物語だと思ったのだった。

オタク全開だったら,段落も切らず隙間無く文字で埋め尽くされている紙面も理解できる。
好きな話をするオタクが早口でまくし立てている時はそうなるよね。

そっか『吾輩は猫である』は明治のオタクトークなのか(勝手に納得)。

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