2020年10月11日日曜日

OWL (41) 東京(磨り硝子)


  • 身長 62mm
  • 入手 2006年3月23日
  • 出身 東京都
  • 材料 磨り硝子

 このフクロウとの最初の出会いは写真の中だった。友人の部屋の棚の上で,彼女の大切な写真や版画を飾ったフレームに囲まれ,すっくと佇んでいた。
 大切にされているフクロウだとすぐさま感じ,「フクロウちゃんは,どこの子ですか?」と思わず尋ねた。天文雑誌に投稿した写真が採用された時に,何かの記念で送られてきたものだという。
 それから約1年後,訪れた彼女の部屋で,実物のこの子に初めて出会って挨拶をした。

 その後,時の流れと共に様々な変化が過ぎていった。
 35歳も年上だったけれど最高の友人だと思っていた彼女と会うことは二度と叶わない。このフクロウは,最後の力を振り絞ったような彼女の手で,どうにか私の元へ届けられた。
 2006年,春分も過ぎた3月23日夜のこと。

 ずっしりと重いガラス製のフクロウ,ずっと白い磨りガラスだと思っていたが,手に取ってみると青みがかった乳白色だった。初めて見る横顔は,丸い嘴と尖ったお尻がキュートだった。

 彼女の部屋で暮らした月日と変わらぬ幸せを,私と共に過ごして欲しい。



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