1/12ピコえっくす☆きゅーと/北欧からの留学生ライリ
1/12 Pico Excute / student from Northern Europe Raili
1995年頃から森永ハイソフトミルクキャラメルに入っていた,ペンギンのおまけカードが好きで集めていた。
会社のおやつにキャラメルを食べていたので,私のカード収集は同僚たちの知るところとなり,彼らの協力のもとけっこう多くのカードが集まった。
しかし,32種37枚もあったそうで,到底全部集めることはできなかった。
写真集として発売されているのではと思いついて調べて知ったのは,けっこう最近。数年前のこと。
見つけたときにはとても買う気にならないプレミア価格だったが,最近まともな価格の中古本を見つけたので買ってみた。
カードで知っていた写真を大きく見るのは素敵。知らない写真も多く,新たな旅行を楽しめた。
中には,今はなきニューヨークのワールドトレードセンターを背景にしたものや,そのビルの中のレストランで撮った写真もあり感慨深かった。
世界のどこか,時には観光地,時にはそこで暮らす人たちが日々目にしていそうな風景の中で,ペンギンたちは生き生きと旅を楽しんでいる。
著者はオーストリア人。冒頭に,日本オリジナル版向けの著者メッセージがある。
アメリカ・ヨーロッパを旅していても,ペンギンたちに興味を持って話しかけてくるのは日本人だったこと。日本には写真を通して愛情を感じるポーズの文化があることが書かれている。
また,写真集に寄せる玖保キリコさんの文章も興味深い。表情に変化がない人形やぬいぐるみに表情の変化を感じてしまう人々について書かれているのだ。
それこそが,1990年代の私がこの写真集に魅せられた理由だし,この写真集があったからこのブログがある。
この写真カードがあまりに好きだったし印象的だったから,ドールの趣味を始めた時,まず野外で撮ろうと思ったのだ。
今の私の原点のような本だ。
森永の「ハイ」シリーズのカードには他にも思い出がある。
ハイクラウンチョコレートに入っていた「花の妖精」と「百花百話」。
中学生の頃,1970年代後半に集めていた。
物が少ない時代,こんなカードがとても楽しみな収集対象だったのだ。
「花の妖精」のお気に入りの1枚は,生徒手帳の扉に挟んで愛でていた。
この美しいカードのシリーズは,きっと多くの方の心に残っていると思うし,多くの方の人生にこうして影響を与えてきたのではないだろうか。
ジョーとサリーのことを一度ブログに書いておこうと思ったのは,はてなブログでお世話になっている イェリクさんの大好きなシリーズ「キャラメル箱の庭」で,私と同じようにこのカードが今に繋がっている話を聞いたからだった。
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ダイアリー「キャラメル箱の庭」について - 永遠のなかの庭園
誰もがそれぞれに思うがままの写真の世界で楽しみ生きていくきっかけをくれたキャラメルのことを忘れずにいよう。