2024年3月13日水曜日

南仏のバカンス

からふるDreamin’/葉鳥 ここね~私たちのあたらしい物語~(ミルクティーver.)
1/6 Colorful Dreamin'/ Kokone Hatori -Our New Story- (Milk Tea ver.)



お風呂の中でよくラジオを聞く。
文化放送の「超!A&G+」を聞いていることが多いが,
静かに過ごしたいときはだいたいNHK FM。

早い時間帯だと「ベストオブクラシック」をゆったり聞ける。
このあとの時間帯は「みんなのうた」を挟んで「朗読の世界」に「青春アドベンチャー」。
これらは続きもの物語だが,別に毎日聞かなくても1回だけ聞いてもけっこう楽しい。

先日たまたま「朗読の世界」でサガンの『悲しみよこんにちは』を聞いた。
たった1回分聞いただけだったが,南仏の別荘地の生活が目に浮かぶようで感動した。

この本は,高校生の頃に新潮文庫で読んだ。
だが,心の機微を生活の機微を風景を,こんなにえぐるように美しく書かれていたっけ?
もう一度この本を読んでみようかと思ってすぐさま買って読んでみた。

高校生当時の書店や図書館に並んでいたこの本は,朝吹登水子訳の1955年版だった。
これは既に絶版になっているようで,あの懐かしい表紙の本はAmazonの中古にもなかった。

現在の新潮文庫の同書は河野万里子訳の2008年版で,
「朗読の世界」で読まれていたのもこれだった。

正直言って,高校生の時にはこの本の良さを私は少しも理解できなかった。
恋愛と自分勝手な欲望に浮ついて過ごすバカっぽい父と娘。むしろ下らないと思った。
当時の私は「○○さんが○○をした」以外の部分を,全く読み取れていなかったのだと思う。

でも,その程度の読書であったとしても,高校生の時に読んだことは無駄ではなかった。
おかげで40年も経って再会し,違う感想を抱いたという感慨を得られたのだ。
こういった経験は年齢を重ねる喜びの一つかもしれない。

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