2021年8月24日火曜日

茶托とコースターは違います!


10年前にロンドンへ旅行したとき,
オカメインコの世話のため母に留守番を頼んだ。
その時,母に「呆れた」と言わんばかりの口調で言われたのだった。
「貴女は茶托も持っていないの?!」

いつもコースターを使っていると答えると,
母曰く「茶托とコースターは違います!」

お嬢様育ちの母にとって,茶托がない家なんて言語道断らしい。
その後,実家にある茶托をもらわされることになり,
祖母も母も愛用していた角館の桜皮細工をもらってきた。

言い訳をするなら,家にお客さまなど来ないし,
私は緑茶を入れるのも飲むのも苦手なので,
お客さまがあっても出すのは紅茶か珈琲になる。
緑茶は頂き物を消費するためにしか飲まないので,
思い付いたこともなかったのだ。

でも,言われてみれば,
かつてとても重要な用事である家を訪問したとき,
茶托もなしで湯飲みのお茶を出され,
あぁ歓迎されていないなぁと思ったことがあった。
茶托は持っていた方が良さそうだ。


調べてみると,確かに茶托とコースターは存在の意味が根底から異なる。

茶托は茶道で使う天目台が変化したもので,
天目台は,熱い茶碗に直接触れずに済むようにしたおもてなし。
煎茶の普及で茶碗が小型化し,天目台も小型化し茶托になった。
現在ではお客さまに敬意を表す礼儀として用いられることが多いとのことだ。


しかし,私にお客さまなど来ないのだ。
高価な桜皮の茶托を死ぬまで眠らせていても勿体ないので,
最近は自宅で緑茶や白湯を飲む時に普通に使う様にしている。

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