2021年6月16日水曜日

思い出と記念品

ジェニー スーパーモデルクラブ SMF-3
Super Action Jenny doll, Super Model Club SMF-3


学生の頃から愛用している,二匹の魚と五つのパンのスプーン。

モチーフとなっている物語は新約聖書の有名な箇所。
マタイによる福音書14章13~20節だ。

イエスを頼ってやってきた人々が,成人男性だけでも5千人ほどいた。
しかし,人里離れた場所で,食べ物はパンが5つと魚が2匹しかなかった。
そこで,イエスは賛美の祈りを唱えてこれらを割き,人々に分け与えた。
すると,全ての人々は満腹になったという。


このスプーンは,私が通っていたキリスト教系幼稚園で
当時園長先生だった女性が亡くなったときに,記念に配られたものだ。

園長先生は,いつも朝から幼稚園の玄関に座って,
園児一人一人を迎えて一言会話を交わし,
「あゆみ帳」と呼んでいた幼稚園の手帳にハンコを押してくれていた。
園長先生が押してくれるハンコは,月ごとの季節の果物や花で,
月が変わる毎に新しいハンコが楽しみだったし,
園長先生と会話するのも楽しみだった。
イースターの日に園長先生から綺麗な卵をもらって嬉しかったことを
今でもよく覚えている。

園長先生は園児一人一人のことをよく見ていらして,
私は何度か園長先生の部屋に呼ばれて私のための話をしてもらった。

このスプーンを毎朝使う度に私は園長先生のことを思い出し,
園長先生が話してくれたことを思い出す。

彼女が亡くなってもう40年近くが過ぎようとしていて,
今や私が園長先生と同じ年頃になってしまったが,
彼女はこうして私の心の中に生き続けている。

人は,覚えている人がいる限り死なないって本当だなぁと思うこの頃。
記念品って良い物だね。

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