2020年2月22日土曜日

OWL (12) カナダ



  • 身長 30mm,30mm,30mm
  • 入手 1984年8月
  • 出身 カナダ
  • 材料 陶器


 実家で飾られている父のフクロウ。

 今にしてみれば考えられないことだが,昔は自由に海外旅行へ行くことは出来なかった。
 日本で一般市民の海外旅行が自由化されたのは1964年。東海道新幹線が開通し,東京オリンピックが開催された年だ。しかし「自由化」と言えど,旅行に行けるのは一年に一度だけで,持ち出し外貨も500ドル。制限付きの不自由なものだった。回数制限が撤廃されたのは1966年だ。
 それでもまだまだ自由とはほど遠く,そんな贅沢な旅行は富裕層だけのものだった。
 海外旅行が庶民の手の届くものになったのは,1980年前後だっただろうか。

 旅行好きな地理教師だった私の父は,1980年代初頭から早速海外へ出かけた。最初は東南アジア,そして2回目がカナダ。1984年夏に仕事で2週間ほど滞在していた。その時カナダから連れてきたのがこのフクロウたちだった。

 長らく父の車のダッシュボードに飾ってあったので,私は父の車に乗る度に,この愛らしいフクロウたちの姿を見て気になっていた。だから,シンガポールで最初のフクロウを買ったのも,もしかしたらこの子たちを思い出したせいなのかもしれない。

 私のフクロウ生活のきっかけになったフクロウなので,帰省する度に無事を確かめている。
 2016年の熊本地震でも半壊した家の中で破損することなく生き延びて,彼らは今も,実家の飾り棚の中で静かに佇んでいる。



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