柳川市は福岡県の中でも屈指の観光の街で,運河とか柳川鍋とか町並みとか有名なものは色々あるが,雛祭りもその一つで以前から気になっていた。
雛飾りと一緒に釣り下げて飾る布細工が「さげもん」で,飾りは鶴や兎,柳川鞠など様々な縁起物。色とりどりで美しく,一つ一つが可愛らしく,眺めているだけで幾らでも時間が潰れてしまいそう。
毎年2月半ばから4月の初め頃まで,観光施設や店先などにさげもんが飾り付けられ「さげもんめぐり」ができるようになっているとのことで,せっかく福岡へ住むことになったので早速行ってみた…のは去年のこと。写真整理が追いつかずすっかり埋もれていたが,このたびようやく発掘>< 茶箱のロベリアさんをお供に連れて行った。
日付は2017年3月23日。
柳川藩主立花邸御花の階段にて。
立花邸御花は柳川藩主だった立花家の邸宅跡で,敷地全体が国の名勝に指定されているとのこと。この階段は明治43年に迎賓館として建てられた西洋館で,立花邸の門をくぐると正面にある。西洋館は鹿鳴館様式の流れをくんだ建物で,自家発電があったり輸入物のシャンデリアが灯されたりと,大変ハイカラな施設だったようだ。
西洋館の古いピアノの前で。
この西洋館,現在は結婚式場に使われているとのこと。敷地内にはレストランや庭園があって確かに披露宴にはピッタリな場所かと。
おまちかね?さげもんの部屋。
縁起物の兎さん。
柳川鞠。
九州には?なのか分からないが,こういう鞠は幼い頃からよく見かけた。
熊本にも「肥後てまり」というフランス刺繍の糸で装飾された鞠があって祖母がよく作っていた。ちなみに「肥後てまり」は「あんたがたどこさ」の手鞠。柳川にも同じような手鞠があることを初めて知った。
天上からつり下がるさげもんたち。ヒヨコも縁起物。
立花邸の見学を終え,敷地内の資料館を見学。資料館にはほとんど人がいなくて貸し切り状態だったが,大変興味深い展示の数々で,定期定期に展示内容も入れ替えられているとのこと。
その後周辺の運河沿いを1時間ばかり歩いた。店先にはさげもんがぶら下がっていたり,ショウウィンドウにお雛様が飾られていたりと,確かに街全体が雛祭りムード。昔ながらのお魚屋さんや観光客向けの駄菓子屋さん,カフェもあった。
柳川市は北原白秋の故郷で,北原白秋の生家があり,そのあたりの町並みも整っていて美しかった。
「さげもんめぐり」の期間中は,「おひな様始祭」「流し雛祭り」「おひな様水上パレード」などのイベントも催されているとのことだ。
この日はイベントとは無関係な日で,観光客も少なくゆったりした風景を楽しむことができた。
去年は8月上旬に再びこの街を訪れたのだが,その時の記事はこちら,「真夏の水郷」。
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