パインちゃんSS
ホテルの土産物店で見かけて,用途も思い付かないまま買ってきた小物入れ。
この織物は「みんさー織」と呼び,八重山地方の伝統工芸品らしい。
石垣島へ来るまで全く知らなかった!
綿(ミン)で織られた幅の狭い帯(サー)が語源で,発祥の地は竹富島だとか?
かつては島で採れる草木で染色されていた。
厚みがある丈夫な布地は男性の帯にふさわしく,
結婚のとき,女性が手織りの帯を男性に贈る風習があったそうだ。
帯には五つ玉と四つ玉の絣を組み合わせた「いつ世」模様が折り込まれる。
「いつ世までも末永く宜しくお願いします」という意味が込められているという。
「何かよく見かける模様」程度の解像度だった(←酷すぎ)ので,
模様にはちゃんと意味があるのだと気がついて目から鱗だった。
ホテルのチェックアウトを済ませ空港に向かうまで2時間ほど時間があった。
せっかくなので,ホテルのみね屋工房さん直営店で機織り体験をすることにした。
コースターか栞のコースがあって,所要時間は約15分。気軽だ。
機織り機など使うのは初めての経験。
熟練しているお店の方は,杼を投げるようにして糸をくぐらせる。
なるほどー。いるか座を「杼」に見立てる星の和名を思い出した。
働かない彦星に腹を立てた織り姫が,彦星に向かって杼を投げつけた。
その杼が,菱形に星が並ぶ杼星(現在のいるか座)になったという話だ。
杼を投げる動作から容易に想像できる物語だし,
杼星の位置が彦星からずれていて,織り姫のコントロールの悪さも楽しい。
杼星はもっとも気に入っている星の和名なので,
生まれて初めて杼を使って,ちょっと感動したのだった。
そして機織りは面白かった。
出来上がったコースター。
コースターと呼ぶにはジャンボサイズで花瓶敷きという感じだ。
素敵な体験ができた。
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