2024年10月23日水曜日

高速ジェット船で伊豆大島

CAPSULE DOLL VOL.2
カプセルドール VOL.2 朱

伊豆大島へ渡るには船と飛行機の選択肢がある。

飛行機の場合は調布飛行場から新中央航空の飛行機に乗る。
「Dornier 228-212 NG」という乗客19名乗りの小さな飛行機だ。
調布から小さな飛行機に乗るという珍しい体験には惹かれたが,今回は船にした。

東京港,竹芝客船ターミナルから東海汽船の船に乗る。
船旅にも2つの選択肢がある。
2時間弱で行ける高速ジェット船と,8時間かかる大型客船だ。
高速ジェット船に決めて,旅行の数ヶ月前から運航状況をワッチしていた。

急がなくても予約できそうなことと,当然だが飛行機より運休の可能性が高いことが分かった。
大島へ行っても帰りの船が欠航になったら困るなぁ。
しかしそんなことを言っていては行けないので,考えないことにしよう。
きっと何とかなるだろう。

ところが7月,東海汽船の高速ジェット船の事故が報道された。
竹芝桟橋から式根島へ向かっていた「セブンアイランド愛」が,自力航行できなくなり漂流!?
海上保安庁の巡視船に曳航されて伊豆大島の岡田港に着いた「愛」から下船する人々…。
あれって私が乗るつもりの船なのでは? 大丈夫なの?!
だがそうは言っても船に乗らないわけもにいかない。


というわけで,兎にも角にもネットで船と宿を予約し,当日の竹芝ターミナル。
到着すると,意外と閑散としている。そして目立つ場所に看板が?
「途中海上不良の為、大島以外欠航となります。」
マジか!!


大島だからぎりぎりセーフだが,船って何て大変なんだ。
都内の都市部は普通の曇り空で,風は吹いているけれど強風と言うほどではない。
それなのに?

ともかく大島行きは運航してくれてありがたい。助かった。
乗船手続を済ませてターミナル内に展示されている模型などを見学する。


高速ジェット船の「結」と「愛」。
東海汽船の船6隻をモチーフにしたキャラクターが誕生し,
その宣伝の展示のようだった。

マスコットキャラクター「東海汽船 はこぶね課」について|東海汽船

「たれぱんだ」「リラックマ」「すみっコぐらし」などで知られる
サンエックス株式会社がデザインしたキャラクターとのことで,可愛らしい。
船の扉にはこのキャラクターが描かれていた。


東海汽船のネット通販「島ぽち」の宣伝。

これは大型客船たちばな丸のキャラクターかな。
なぜか鳥に好かれるらしい。


ターミナルにあったパンフレットなどをゲットし桟橋へ。
ピンクの船が待っていた。
これって,まさに7月に航行不能になった「セブンアイランド愛」なのでは?!


乗船券の便名の後ろに「愛」の文字が書かれていて謎だったが,船の名前だったんだ。
まさか話題の船舶そのものに乗ることになるとは。


座席は全席指定。予約すると勝手に席が決められるシステムのようだ。
高速ジェット船は水中翼で海面から浮き上がって航行する。
飛行機のように「Take Off(離水)」し,波の影響を受けずに80km/hで海面を走るのだ。

確かに高速。揺れない。快適だった。
あっという間に横浜を通り過ぎ,大島がすぐそこに。
三原山の山頂までよく見えているので登山もできそうだ。

ところが…!! 到着目前だというのに船内アナウンス。
何か,ゴミが詰まって航行できなくなったので取り除く作業をするとか?
着水するので揺れが予想されますとのこと。

え?なにそれ?!
ゴミってすぐに取れるものなの?時間かかるの?大丈夫なの?

私は不安だったが周囲の人たちは冷静そのものだ。
誰も慌てていないし怖がってもいない。
船に乗り慣れている人にとっては,よくあることなのだろうか?

だが,この日は大島行き以外は全部欠航だった海模様なのだ。
着水した船の揺れること揺れること。

船といえば有明海と瀬戸内海のフェリーしか乗ったことがなかった私には初体験の波だった。
太平洋へ出ると,波ってこんなにも大きいものなのか。これは怖い!
もしもこんな海に放り出されたら,あっという間に死ねるだろう。
身をもって理解した。
そして,気を抜けばあっという間に酷い船酔いをしそう!

せめてどれくらい時間がかかるとかアナウンスしてもらえると不安も薄らぐのだが,
そういった案内は一切ない。
船酔いしないように気を張り詰め,ひたすら待った。
とても長く感じたが何分くらいだったのだろう?
時計を見る余裕もなかったが,きっと思うほど長くはなかったのだろう。

作業が終わると再び離水し,あっという間に大島へ到着した。
波が高く,すぐそこにある桟橋になかなか接岸できない。
だが船員さんも桟橋の職員さんも慣れたもので,やがて船と陸が繋がった。


到着したのは伊豆大島の北側に位置する岡田港。
大島には客船が接岸する港が2つあり,朝の天気によってその日に使われる港が決まる。
街の中心部にあるのは東岸の元町港だが,北岸の岡田港は伊豆半島と房総半島に守られ悪天候に強い。
島の玄関たる港をできるだけ開いておくための工夫なのだろう。なるほどと思った。

岡田港の建物に入ると,まず椿の飾りがお出迎え。


そして何故かアーニャ。東海汽船と『SPY×FAMILY』がコラボしていたらしい。
伊豆大島にやってきてアーニャに歓迎されるのも変な気がしたが,ちょっと和んだ。


岡田港の風景。この黄色いバスにはお世話になった。

「岡田(おかた)」は伊豆大島ができる以前にこのあたりにあった火山の名前だ。
数十万年前に活動を終え,今は伊豆大島の北端にある乳が崎に残骸を留めている。


翌日の復路も岡田港だった。
島中のあちこちにこのような表示があって,本日の港が周知されていた。


そして帰りも例の「セブンアイランド愛」が待っていた。
流石に2回も乗るとこの船に愛着が湧いてきてしまうような。

この日は天気も良く,岡田港から富士山が見えていた。
富士山って見えると嬉しいよね。



帰りの海はかなり穏やかだったが,
往路のゴミが詰まった事件があったので,竹芝に到着するまで私は安心できなかった。

私のように船に愛着が湧いてきた人用?に,大島にはお土産が準備されていた。
高速ジェット船プルバック! あちこちの土産物屋で飾られていた。
何でも買っていたら切りが無いよねと我慢したけど,ちょっと欲しかったな!


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