「和傘の傘製作工程」と題し,道具と共に工程を再現したフィギュアだ。
精巧に出来ていて素晴らしい。
説明書きも撮ってきたが写真が多くて重くなるので,説明の方はテキストで載せておく。
1.骨
骨には紙を貼る外側の親骨と、それを支える内側の小骨がある。
骨の竹は真竹を使い、一本の竹を割って骨を作る。
傘をたたんだ時には綺麗に元の竹の形となる。
2.繰り込み
まっすぐにした柄竹にロクロ(頭ロクロと手もとロクロの両方)を取り付ける。
ロクロとは骨をつなぐ部品でその周囲には溝が刻んである。
3.つなぎ
小骨を手もとロクロに糸でつなぐ。
親骨も同様に頭ロクロにつなぐ。
そして、親骨の中節に小骨の端を組み込みながら、中糸を通していく。
4.軒糸(ヌキ糸)
傘を回しながらの作業となるため、張り馬という作業台に乗せ、行う。
親骨の軒の穴に軒糸を通して、傘の形をつくる。
このとき親骨は四本ずつまとめておく。
5.中置き
傘の外周の軒糸に縁紙(石州半紙などの薄い和紙をリボン状に切ったもの)を張っていく。
また、中節の骨のつなぎ目の中糸にも補強のため中置の紙を張っていく。
6.側張り
一番外側(外周)の紙を貼ることを側張りという。
親骨に糊をつけ、張っていく。
骨からはみ出した部分をかみそりで切り取っていく。
7.中張り
外周を張り終えたら、そのひとつ内側を張る。
これを中張りという。
四角い紙を張り、はみ出した部分や外周とのつなぎ目を丁寧に切り取っていく。
8.天井張り
中張りと同様に紙を張りつないでいく。
頭ロクロの部分があるため熟練を要する。
9.仕上げ
張り終えたら乾燥させる。
そしてヘラを使って紙の谷の折り目を整える。
この後、ケブセ(紙のケバをとる)、下地塗り(親骨の表面に乾燥・塗りという作業を7・8回繰り返す)、油引き(放水処理。エゴマ油を引く)、漆塗り、籐巻きと糸がかり、という作業を行う。
これが横に展示されていた実際の道具たち。
こんな工程を経て一つ一つ作られているのだ。
和傘って高級品なのだなぁと改めて思った。
ミニチュア好きなので,博物館でこういうミニチュアを見つけると思わず撮ってしまう。
印刷博物館の印刷の歴史フィギュアは下記の記事。

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