2025年5月23日金曜日

月と檸檬と魚

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暦ちゃんに似合いそうだと思ったのに,襟のあたりがぶかぶか。
後ろを絞って安全ピンで留めて,何とか見られる感じになった。
ちょっと残念! 他に誰か,これが似合う子うちにいないかな。



月を拾う夢の話を書いた。

路地裏の水たまりに映った光り輝く月。
それは9日くらいの生きた檸檬の月。
私が捕まえようとすると,月は自在に飛び跳ねて逃げた。

何故あんな奇怪な夢を見て,いつまでも覚えているのかと考えた。

あの月は檸檬だったし魚だった。
自ら輝きを放って眩いばかりで,生きていた。
9日〜11日,もしくは18日〜20日くらいの月齢だった。

たぶん私は,あの形がとても気になっている。

あの,何とも形容しがたい中途半端な形の月。
中途半端な形であるだけに,特に地平線から出たばかりの時など目が離せない。
大気の影響で赤くなった不思議な形の月は,妙にキモく存在感がある。

人の目を惹きつけておきながら,月は自在に雲から出たり隠れたり。
あるいは遠くの家の屋根に隠れたり,木々の間から顔を出したりする。
それはまるで生きた魚,飛び跳ねる檸檬。

水たまりの月,跳ねて逃げる月。
昔見た夢は,そんな印象が脳の引き出しから飛び出したのかもしれない。


9〜11あるいは18〜20は「キモい月齢」なのだ。
満ち欠けの不完全さが,不気味で幻想的な印象を与えるのだろう。

梶井基次郎の『檸檬』が思い浮かぶ。
丸善の本の山の上に置かれた1個の檸檬の不気味さと緊張感。
それは夢の中の月が放った輝きに似ている気がする。


見わたすと、その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。私は埃ほこりっぽい丸善の中の空気が、その檸檬の周囲だけ変に緊張しているような気がした。私はしばらくそれを眺めていた。(梶井基次郎『檸檬』)


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2 件のコメント:

  1. doll-modeler32025/05/23 17:58:00

    こんばんは、お邪魔致します。

    レモン型の月のお話。文芸的で素敵なお話ですね。理系のYukiSnowy様の新たな1面を拝見した気がします。

    言われてみると、確かに、同じ欠けた月でも三日月形の月は美しいけれど、半月を越えて凸型の歪な月は不気味ともユーモラスとも感じます。

    私も「レモン」と聞くと100均・・・じゃなくて、梶井基次郎の小説を思い出します。
    某雑誌の付録で「梶井基次郎」の小説「檸檬」をイメージしたミニ万年筆が付いた事があって、付録が欲しくて購入しました。
    その時に小説「檸檬」は何度か読み返した覚えがあります。(万年筆の方は、書き味が酷くてガッカリしました。所詮付録です。)

    仕事場と自宅への往復は自転車通勤なので、いつも月を眺めながら帰る事が多いです。田舎道で街灯の無いので新月の夜は怖いですよ。

    失礼しました。

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    1. doll-modeler3 様

      キモい月齢の考察などという与太話をお読みいただきありがとうございます。
      私は専門は理系でしたけど,文理どっちつかずで人文系もけっこう好きなのです。年を取って人文系への憧憬が増した気もします。doll-modeler3様は如何でしょうか。

      檸檬の万年筆,検索して拝見しました。美しい万年筆なのに書き味が悪いのは残念ですね。どうせならお値段が高くなっても使いやすい付録にしてくれると良いのに!
      梶井基次郎の『檸檬』は何故か惹かれて何度も読みました。文庫本も持っていたのに度重なる引っ越しで処分したらしく手元になくなっていたので,青空文庫からダウンロードしたところです。
      文学作品は,読み手の状態によりその時々で受け取るメッセージが異なるので何度読んでもいいですね。
      街灯がなくて真っ暗,今も田舎ではそうですよね。

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